旅館運営をデジタル化、更に外販へ

「陣屋」ホームページより

神奈川県秦野市の鶴巻温泉にある老舗旅館「陣屋」は、囲碁将棋のタイトル戦が行われるような伝統ある名旅館だが、リーマンショックや旅館へのニーズが変化した影響から倒産の危機に瀕していた。先代社長の急死を受けてあとを継いだ四代目社長がデジタル化による業務改革、経営改革を断行し危機を脱することができた。それまで、手書きの予算管理や情報共有でミスが多く、人件費や料理の原価も把握できていなかった。自動車メーカーのエンジニアであった社長は、既存システムの導入ではなく、旅館の運営に関わるすべてのデータをデジタル化して一括管理し、従業員はタブレットでお客様の食事の好みや急な要望を情報共有できるようなシステムを自社開発した。10億円あった負債も返済のめどが立つほど経営はV字回復し、このシステム「陣屋コネクト」を外販して新事業を立上げ、2022年12月期には2億9千万円の売上にまで成長させている。(日経産業新聞2016年3月23日記事、陣屋HP記事などから構成)